日本初の株式投資型クラウドファンディングFUNDINNO(ファンディーノ)を運営する株式会社日本クラウドキャピタル。株式投資型クラウドファンディングとは、企業が非上場株式の発行により、インターネットを通して年間1億円未満を上限に幅広い投資家から資金を調達することができる新しい資金調達の仕組みです。「フェアに挑戦できる未来を創る」というビジョンのもと、新たな挑戦を続ける代表取締役COO大浦学氏に熱い想いをお話しいただきました。

株式会社日本クラウドキャピタル設立の背景

― はじめに株式会社日本クラウドキャピタルを設立した背景を教えてください

株式会社日本クラウドキャピタルは、明治大学大学院のMBAで出会った柴原と共同で立ち上げた、株式投資型クラウドファンディングサービスFUNDINNOを提供する会社です。

最初はIT系のシステム開発会社で起業したのですが、その会社を3年ほど運営した経験の中で日本における資金調達環境に問題意識を持つようになりました。ベンチャー企業や中小企業が新しいビジネスを始めようと思っても、日本では資金を調達することができずに頓挫してしまうケースが数多くあることを実感したからです。

一方、アメリカでは株式投資型クラウドファンディングのはしりであるAngelListというサービスが登場し、UberやAirbnb、ナイアンティックといった名だたるベンチャー企業が資金調達を成功させていました。欧米諸国と比べ日本の資金調達市場は規模があまりにも小さすぎます。

そこで株式投資型クラウドファンディングによる資金調達の仕組みを日本でも導入したいと考えるようになりました。タイミングよく2015年5月に金融商品取引法が改正され、日本でも株式投資型クラウドファンディングが解禁されたことで参入を決意し、同年11月に株式会社日本クラウドキャピタルを立ち上げました。

―前例のない中でFUNDINNOをスタートさせるには苦労されたこともあったのでは?

当初は3カ月ほどでサービスをスタートできると考えていたのですが、2015年11月に会社を立ち上げてから、金融商品取引業者として第1種少額電子募集取扱業務の登録を受けるまでに1年、それから弊社プラットフォームFUNDINNによるサービスを開始するまでに半年はかかりましたね。

ただ、サービス開始までの間に投資家の事前登録を進め、スタート段階で約千人の投資家を集めていたおかげで、初めに募集した第一号案件では情報をリリースしてからわずか3時間で目標金額の1,500万円を達成することができました。第一号で失敗するわけにはいかなかったので、結果的に時間をかけて準備することができたのは良い流れだったと思います。

現在では登録する投資家の数は1万人を超え、資金調達に成功した企業は40社以上、累計成約金額では17億3,000万円を超えるまでの規模になりました。

画像: 出典:FUNDINNO公式サイト fundinno.com

出典:FUNDINNO公式サイト

fundinno.com

共感性が資金調達成功の鍵

―どのような基準でベンチャー企業の成長性を判断しているのでしょうか?

企業の成長性を判断する際の基準としては、主にスケール性とユニーク性の二つを重視しています。

スケール性とは、現在ではなく将来的にどれくらい企業のポテンシャルがあるかどうか。市場の広がりや会社の利益体質、ビジネスモデルが長期的にどれくらいのスケール感があるかを見ています。

そして、もう一つのユニーク性も大事なポイントです。様々なプレーヤーがいる市場の中で、その企業が独自に持っている優位性は何なのか。大手企業のサービスでは代用できないような独自性がなければなりません。この二つが満たされていることが基本的な条件ですね。

原則的に投資家の判断基準として、一般的に、投資した以上のリターンが期待できることは絶対に必要な部分です。これはベンチャーキャピタルでもエンジェル投資家でも変わりません。

―投資を集めるために投機性以外に必要な要素はありますか?

多くのエンジェル投資家から出資を得るためには、リターンがあるという投資性だけではなく、企業の想いや価値観への共感性が大切な要素になります。

重要なのは、その企業がどのような社会課題を解決したいと考えているかです。社会におけるどのような課題を解決したいと考えていて、どのような方法で解決するのか。そこに共感を得られなければエンジェル投資家からの出資を集めることはできません。

解決したい課題という視点から入っていくと、必然的に社会性が強くなってきます。儲けたいという自利的な欲求だけでなく、社会課題を解決したいという利他的な考え方に対して共感してくれるかどうかという軸が入ってくるからです。投資性と共感性の両面が資金調達を成功に導くための鍵だと言えると思います。

集合知としての市場の声

―これまでの案件の中で特徴的な成功事例を教えてください

FUNDINNOの第三号案件で投資家200人から約3200万円を集めた企業が、同じ時期に購入型クラウドファンディングのCAMPFIREさんでも出品していたことがありました。その時はお互い特に導線を設けていたわけではなかったのですが、Twitterなどで購入型クラウドファンディングも行なっているという情報が拡散されたことで、FUNDINNOで出資してくれた投資家の方々が購入型の方でも商品を買ってくれたのです。

我々が意図したことではありませんでしたが、エンジェル投資家が企業のファンとして良質な購買層であることが証明された瞬間でした。企業のファンになって株式投資型で出資をしてくれる投資家は、商品を購入したりなど周りに営業もしてくれるという良い事例だと思います。

利益を目的として投資するだけでなく、投資した企業を支援して成長を楽しみたいという需要がすごく多いのを実感しています。他の投資とは明らかに異質な特徴です。ただ数字の動きを追っていくのではなく、投資先企業との距離が近く、企業に関わっていくことを楽しんでいるような雰囲気が生まれてきています。

―クラウドファンディングならではの動きが生まれているのですね

面白いのは、投資会社的な判断であれば投資してもいいと思えるような企業でも、クラウドファンディングでは資金を調達できない場合もあることです。プロ投資家の判断と市場の判断は別物であり、クラウドファンディングでは大勢の意見である集合知により結果が左右されます。

ハーバードのビジネスクールで、集合知による投資判断をテーマにした研究がなされており、プロ投資家が投資しないと判断した企業でも、クラウドファンディングで沢山の資金を調達することができた企業は成功するという研究結果が報告されています。

その理由の一つとして、クラウドファンディングで成約した商品やサービスは市場のニーズがあることが挙げられています。もう一つの理由は効率的なデューデリジェンス、つまり審査ができること。効率的な審査というのは、プロ投資家は数字的な部分だけで判断するのに対し、集合知ではWeb上で集められる経営者やチームメンバーのパーソナリティも含めた多角的な情報をもとに判断しているということです。

また、クラウドファンディングでは女性の意見が反映されやすいことも重要です。市場の半分は女性であることを考えると、圧倒的に男性の比率が高いプロ投資家よりも、一定数の女性が含まれている集合知の方がより現実に近い判断をすることができるのです。

ビジョンを軸とした共創関係

―日本クラウドキャピタルが掲げているビジョンを教えてください

日本クラウドキャピタルではシンプルに「フェアに挑戦できる未来を創る」というビジョンを掲げています。FUNDINNOを通してベンチャー企業が新しいことに挑戦する際にボトルネックとなる資金的課題を解決し、将来的に誰しもがフェアに挑戦することができる世界を創りたいという想いを込めています。

これまでの金融マーケットはクローズな世界でした。特にベンチャー企業の資金調達は閉ざされた状況下で株価や投資契約を決めることが多く、それではフェアに挑戦できる環境とはとても言えません。

フェアに挑戦できる世界を実現するためには、このクローズな環境をオープンに変える必要があります。日本クラウドキャピタルでは、前例のない新しいことに挑戦したいと考えるベンチャー企業と、その企業を支援したいと思う投資家を、Webというオープンな環境でつなぐプラットフォームとしてFUNDINNOを提供しているのです。

―会社組織としてはどのような特徴がありますか?

組織的には金融とITの人材が融合しているのが特徴的ですね。金融経験者は60代の方が多い中、IT系では高校生や大学生の人材もいて、年齢も経験も全く異なる人材が共存している組織です。

金融的なディフェンシブな考え方と新しいことにチャレンジしたい若いパワーの両方が存在するため社内で意見が衝突することも珍しくありませんが、ぶつかることができる環境はすごく大切だと思っています。お互いを尊重して譲り合うような組織ではリスクが増してしまうと考えているからです。攻めと守りがせめぎ合いながら成長できる関係が理想ですね。

異なる文化・価値観を持つ人材が一つの組織の中で共存していくためには、同じビジョンを共有することが必要です。そのためにビジョンを何十回、何百回と繰り返して言い続けること、それが私の仕事だと思っています。

―様々な企業・サービスとの連携を図られていますよね

フェアに挑戦できる未来を創るためには、自社だけではなく多くの企業と一緒にベンチャー企業の後押しをしていくことが必要だと思っています。事業会社にとって何が一番プラスになるのかといった視点で考えていかなければなりません。

株式投資型クラウドファンディングはクラウド会計とも相性がいいため、freeeさんやマネーフォワードさんとも連携を図っています。ただ、ある特定のサービス事業者とだけ連携するのではなく、ユーザーが使いたいと思うサービスを選んでいただけるよう、幅広い企業との連携を進めていきたいですね。

他にもクラウドソーシング大手のクラウドワークスさんとも提携を始めました。資金が集まったら次は人材が必要になるため、クラウドワークスさんのようなサービスとは長期的な世界観がマッチしていて親和性が高いのです。ベンチャー企業の最大の課題である資金と人材の両面から支援を行なっていきます。

ビジョンの実現に向けて

―今後の目標・展望を教えてください

「フェアに挑戦できる未来を創る」というビジョンから中期的・長期的な目標を定め、、中長期の目標を達成するために短期で何をしなければいけないかを各部門で考えて実行しています。

10年後、長期的な目標は「一億総起業家」。現在、日本の資金調達市場は2017年時点で約2,700億円と言われていて、これを10年後に2兆円規模に成長させたいのです。そのために一億総起業家のような文化を根付かせていくことが必要だと考えています。日本の資金調達市場の規模が2兆円になったとき、その10%にあたる2,000億円を日本クラウドキャピタルが担っていくのが定量的な目標です。

5年後、中期的な目標は「エンジェル投資の民主化」。現状の課題として、一部の投資マニアや経営者、会社役員など限られた人だけしかエンジェル投資を行なっていないことが挙げられます。上場会社の証券口座は約1,000万口座、投資信託や不動産リートが200~300万口座あり、仮想通貨ですら60万口座ある中で、我々の口座は1万ちょっとしかありません。それを5年後に50万口座、10年後には300万口座まで増やし、一般の方々が普通にエンジェル投資を行なっているような状況を創り出していきます。

中長期の目標から逆算して短期的にやらなければいけないことが「スタートアップマーケットを創る」こと。ベンチャー企業のシーズからイグジットまでの過程の中で、今我々が行なっているのは資金調達というシーズ段階の支援だけなのです。

これを入口・成長・出口という三段階での支援を行ない、本当の意味でのスタートアップマーケットを創りたいと考えています。イグジットすることができた起業家が、今度は投資家として戻ってきて他のベンチャー企業に投資をするような循環の流れを生み出していきたいですね。これは私たちのようなプラットフォーマーのポジションでなければできないことだと思っています。

株式会社日本クラウドキャピタル

本社:東京都品川区東五反田5丁目25番18号
設立:2015年11月26日
代表者:代表取締役CEO 柴原 祐喜/代表取締役COO 大浦 学
URL:https://www.cloud-capital.co.jp/

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